Jazzgitarren - vintage German made archtop guitars




 おまけのページです。しかも、ドイツのギターとは何ら関係が有りません。その点は平に御容赦頂きたい所存でございます(笑)。昨年、イタリアのe-Bayでトンデモないゲテモノ・ギターを見つけました。勿論、速効脳内は腹が減ったヴァンダレイ・シウバと化し、世界のギターコレクターの攻撃を容赦なく払い除け(ウソ。入札者は他に2人しかいなかった。笑)、念願かない、無事落札、GETと相成りました。そのギターはボロボロで、使用するにも、飾るにも、難関がいくつもありました。そのいきさつと成りゆきと顛末を、書こうと思います。海外からの御買い物指南、もしくはアコギのリペア/改造指南、もしくは日本のバカギター収集家の呆れた報告書、とでも思って下さい(笑)。



第1章 ■ ゲテモノ遭遇

 e-Bayでこんなの(写真左)が出たんです。イタリア産のヴィンテージ・ハープ・ギターです。昨年の秋でした。ドイツからギターを買う経験は何度かありましたが、イタリアからは初めてになります。誰が、いつ、何処で作ったか、はまったく判りません。完全に正体不明。ドイツもの以外でここまでファーストインパクトのあるギターも珍しい(笑)ので、まあ一目惚れですね。なんとかフランス人のギターコレクターの執拗な追跡をはね退け無事落札。勿論終了前後に出品者とは何度もメール(英文)のやり取りをしましたが、正直不安は最後の最後まで付きまといました。

 一応書いておきますが、筆者のような偏執的でクレイジーを自認する(?)方以外には、e-bayに限らず海外からギターを買うのはオススメ出来ません。劇薬です。筆者は幸運にも今まで詐欺に合ったことはないんですが、正直その比率はヤフオクの比ではありません(笑)。自己責任というのをヒシヒシと感じつつ、それでも止むに止まれぬ時にだけ、使用上の注意を良く読んで正しく利用してください(笑)。

 で、このギターですが、出品者はアンティークショップ(というよりは古道具屋)の人で、「ギターのことは全く判らない」そうで(笑)。その時点でもうバクチです。「壊れてるよ」とは聞かされましたが、何がどこまで壊れてるかは、到着まで(写真で確認できる以外は)何も判りません。我ながら無謀ですね(失笑)。



第2章 ■ 沈黙の怪物、空を飛ぶ

 ギターの詳細は後述しますが、取りあえずデカイ&ケースもないので、まず発送に難儀しました。イタリアでは他の国と違って手数料が高いです。楽器に関して日本では関税がかかりませんが、イタリアでは「輸出」で税金がかかるそうです。更に、梱包(木枠箱を作った)にも金が掛かりました。そして送料。通常の郵便局では大きさのせいで拒否され、FEDEX、UPS等のメジャー運送会社では料金で(何と18万も掛かる)諦めました。

ギターは船便での発送は考えられないので、イタリアで航空便でこれを扱える運送会社を探してもらいました。そしたら運良く「安価で」「航空便で」「日本では日本通運が提携している」会社がありました。かなり小さな会社で。運賃は4万でした。なんだ、やればできるジャン。FEDEXとかも少しは勉強しろよな、と(笑)。



第3章 ■ ナマハゲが家にやってきた ヤァ!ヤァ!ヤァ!

 さあ、そんなわけで我が家にバケモノがやって参りました。ここからは筆者の撮影写真になります。このギターは6コースの通常弦に加えて、3本の副弦があるハープギターです。通常ハープギターは副弦(弾く場合もあるが、主な目的は共鳴らしい。たいていの場合、クロマチックチューニングされてる)の下にもネックがありますが、これはないですね。有名なGIBSONのSTYLE U(1903〜1918製造)なんかも、細いですがサブのネックがついてますもんね。ハープギターの音色に関しては、こんなページを参照せずに、MARTIN TAYLOR & STEVE HOWEのギター・アルバムでも聞いてみて下さい(笑)。

 で、まず全体に、スゲエ彫刻&カラフルなインレイ装飾が施されてます。トップはになってますね(……笑)サウンドホールの両脇には天使がダッコチャンポーズをとってます。実はこのへんのインレイが、パラパラ落ちてきてしまうんですねえ・・・(笑)。拾っては接着、を繰り返すハメになりました。ブリッジはエボニーだと思うんですが、これまたアンティークな形状&彫刻で、馬かなんかの頭が両端に(笑)。ボディ上部の共鳴部分の先端には、正体不明の生物(耳があるのにウロコ模様もある)の頭部が、しかもなんと、アカンベーしてやがります。ムカツキます(笑)。その頭部と、ボディエンド部分は鎖模様の彫刻入り支柱(?)2本で連結されてます。演奏するときは、ここに頭つっこんで、背負うようなカンジになります。

 ホールからなにやら怪し気な絵が、内部に見えるんですが、それは後述します。トップの「目」の部分は皮素材で縁取り、「口」部分の「歯」は紙素材のようです。前歯が1本折れてるあたりは年齢的に人間と同じ、てことですかね(笑)。バックは真ん中にチョロリと彫刻が、エッジ部分はトップと同じ彫刻が入ってますが。思いきりババンと、割れ止めと思われるニカワがベッタリと2ケ所にくっついてます。勿論これは模様ではありません(笑)。

 ヘッドは南米のクラシックギターを思わせる、豪華な彫刻入りで、しかも羽根まで生えてます(笑)が、そこに副弦の糸巻きが刺さってますね。現在1つ破損してるので弦は2本しか張ってませんが。何故か1弦の脇に、もう1ケペグが付いているんですが、その意図は全く不明です(ブリッジにはその弦を止める場所がない)。

 指板は(多分)エボニーですが、市松模様のインレイがこれでもか、と入ってます。フレットの状況からいって、多分「全く演奏された形跡はない」と思われます。全体で、タテ1m、幅1m、厚さ10cmくらいですが、軽いです。ボディ自体が小さいことと、これは後から判明したことですが、トップ、サイド、バックともに板の厚さが2mm以下という極薄板を使用しているせいだと思われます。ネック廻りとアカンベーヘッド部分以外は空洞なので、そういうことになるのでしょう。スケールは645mm。まあ通常ですよね。



第4章 ■ 生かすべきか殺すべきか、それが問題

 さて、この時点で困った問題が多々ありました。現状ではまったく演奏ができません。自前修理も不可能です。リペアに出すにしても、このギターのグロいビジュアルを生かしたまま治るかどうかも不明です。飾るだけならギターなんて買いません(笑)。音が出てナンボ。そこでリペア屋さん探しと相成りました。

 破損箇所は、まずTOPが2ケ所割れており、張力に負けてしまってそこが彎曲しています。その彎曲もTOPの板が弦にくっつく程。生音を鳴らすことさえできません。それから、前述したようにペグが1ケ破損し、バックも割れてますし、トップもバックも数カ所剥がれかけてます。

 バックやペグなんかは、まあなんとかなるでしょうが、問題はTOPです。楽器全体の強度は楽器の音に直結するので、内部構造から総べて大改造が必要となりそうです。しかも、それらの工程をあの口の部分から全部やりきれるとは、ミクロマンでもない限り無理だというのは筆者にだって判ります。つまり、TOPかバックを剥がさないと無理、ってことですね。さらに更に、それらの修理を終えた時点で、このルックスをなるべく維持する、というのが今回のギターのリペアに関するオーダー、ということになります。 「演奏できて、現状のルックスは維持」という難関。さて、誰が引き受けるというのでしょうか(笑)。



第5章 ■ 憎まれっ子、世にはばかる

 さて、リペア業者探しになります。なんたってこのギター、持ち運びは大変なんです。電車移動はほぼ不可能。そこで、電話で相談/写真を見せて、筆者の要望を伝える、という手段に出たわけです。しかし、結果は芳しくありません(笑)。電話攻勢の結果、20件程電話したでしょうか。見事にすべてに断られました。「ウチでは無理だ。あそこなら・・・」の繰り返しも何度も。ハープギターを知らないところもやはり多く、とにかく「実物見ないと何も判らん」「(装飾を見て)家具屋にでも持ってったほうがいいんじゃない?」という返答が多かったですね。

「たいへん貴重な画像を拝見しました。結論からしますと、この修理はお引き受けできません。欠落した部分の精巧なデザインの復元はギター製作家の領域ではないでしょう。全体に装飾が施されているために、変形した部分の修繕も極めて難しくとても実用的な段階の復元を踏まえる余裕がないでしょう。」

 という返事(原文ママ)を頂いた店もあります。別の大手楽器店(MARTINのあそこ)でも「東京でTOP板剥がせる機械あるのは黒澤澄雄(日本を代表するクラギ・ルシアーの1人)のとこだけだと思うよ。紹介しようか?」などというお言葉を頂いたりもしました。そうなると費用のほうもケタ違いになるため、結局黒澤氏のところには電話はしませんでした(笑)。

 次にとったのが、大手楽器チェーン店、I楽器の新宿店頼み、という方法でした。取りあえずブツを預けて、出入りしてるリペア業者さん全員に見てもらって、「やってみるか」という人を募る、という方法です(笑)。そこの新宿店には常日頃お世話になってるので、今回もお願い、ということなんですが、2ヶ月程お願いして結局やはり全員からボツを食らうというハメに(笑)。店からも「そろそろ引き取ってくれ」などと言われてしまう始末。まあ、多少想像はしてましたが、徐々に筆者も諦めモードに入ってきました。

 前後しますが、I楽器新宿店にこれを持ち込んで「これなんですけど〜」と荷物をおっぴろげたときの記憶は、忘れられません。平日夕方で、そんなに客足もない時だったのですが、そのフロアのお客さん全員がその得体の知れない物体と筆者の周りに人垣を作りました(笑)。平静を装いつつ、自慢心&羞恥心を同時に覚えました(笑)。まあ、結局はそういう運命なんスね。俺もこのギターも。



第6章 ■ 新宿から四ッ谷へお引越し

 I楽器でダメ出しされた後、四ッ谷にある「リングギターズ」というショップに電話しました。こちらのセリフはいつも通り。返事は「スゴイね〜面白そうだね〜ヘヘヘ」。期待できるお言葉でした(笑)。で、場所も近いし、取りあえず預かってもらうことにしたのです。お店を訪れると、この怪物を持って早速作業場へ向かいます。繁々と眺める店主と、筆者。2人とも薄笑いです(笑)。リングギターズさんは資料文献を何冊も眺めつつ、構造的な欠陥や、筆者の貧相な予算の折り合いを考え、いろいろとアイデアを出してくれました。シメシメ。もうこちらの勝ちですね(笑)。

 そこでリングギターズさんにて修理をお願いしました。今だ作業中ですが、随時アイデアと進行状況が変わります。店主によれば、作業は3ケ所で3段階に分ける、とのことです。リペアの詳細は次ページで書いていきたいと思います。修繕の進行の度に、確認の画像もウチにメールされてきてます。予定では最低4ヶ月程の大工程。大手術開始です。




長文すいません。まだ続きます。怒濤の大改造編へ→



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