SHADOWは現在もピックアップを中心にギターパーツを製造してるので、結構有名ですね。ピエゾ・ピックアップのジャンルにおいてFISHMANを上回るシェアを誇っているそうです。
他のページでも何度か出てくるATTILA ZOLLERのシグネイチャー・フローティング・ハムバッカーでJAZZ系ギタリストにもお馴染みでしょう。
ユーゴスラヴィア出身のJOSIP MARINICという人がSHADOWブランドを立ち上げ、60年代にはユーゴスラビアでFRAMUSブランドの楽器を代理店としてディストリビューションしたり、
その関係でFRAMUS製ギターのPICKUPを開発したりしたそうです(ATTILA ZOLLERのシグネイチャーギターはFRAMUSから出てます)。
60年代末に彼はユーゴから西独に移り、SHADOW社をドイツ拠点に完全移動させて、70年代からバリバリとやっていくわけです(笑)。
で、そのSHADOWがギターをリリースしていたことは、ドイツでも殆ど知られていない、とはかのNORBERT氏の弁ですが、何故か運良く入手できました。
1974年に極少数(80本)のみ製造されたバイオリン型のギターです。
ヘフナーのものとは違い、こちらはソリッドマホガニー一枚板のボディです。こちらはナチュラルですが、
ワインレッドに塗装されたものもある、というウワサもあります。「ELEKTRO-GITARREN」や以前MUSIKKELLERに在庫していたこのモデルは両方とも
ネックもマホガニーでしたが、何故か僕のはハードアッシュのネックです。
まず、バインディングが美しいですねえ。更に、トップ、バックともに削り出されたアーチトップは、レスポールなんかの比じゃあありません!(笑)。
バイオリン型といえばヘフナーもベース同様にギターを出していますが、そちらのボディシェイプは(これを見ちゃうと)貧相に思えてしまいます(笑)。
PUは勿論SHADOWのオリジナル・シングルコイル。レイアウトがゼマイティスを彷佛とさせますが、意識したかどうかは定かではありません。
指板はエボニー、インレイはパール、トラスロッドが入ったネックです。ビグスビーに見えますが、実はSHADOWのオリジナル・アームユニット。
テンション・バーのところにローラーが付いてますね。ボディはLPより大きめ、でもやや薄め、といったとこでしょうか。
余談があります。「何故ギター製作をやめてしまったのか?」の問いに、社長のJOSIPは「だって木材加工をやると工場が木屑だらけになって、
PUとかの精密機械がダメになっちゃうんだもん」とのこと。工場は狭かったそうで、選択の余地なし、と(笑)。
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