Jazzgitarren - vintage German made archtop guitars

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HERRNSDORF Electro Artist - Black photo courtesy of knupss


 つい最近、スウェーデンのミカエル・ヤンソン氏から、HERRNSDORFというこのブランドに関する詳細を御教示してもらったので、書きます。ヘレンスドルフは1865年に楽器貿易商として設立された会社で、 1927年にリコーダー(木笛ですね)から楽器の製造をスタート、50年代に入り、弦楽器、電気楽器の製造まで拡張したそうです。共産圏体勢突入後もしばらくは単独で製造していたようですが、 1972年、他の楽器ブランドなんかと共に東ドイツ最王手のMUSIMAに吸収合併されて無くなってしまったようです。
 このギターは、先日オークションに出品されて、筆者のドギモを抜いた(笑。そんなに大袈裟なモンではないですけどね)一本。日本発送のOKまで貰って、入札しようとギリギリまで悩んだんですが、既に(下で紹介している)PURITYをもってるのになあ・・・というのが最後まで引っ掛かって、結局GETしませんでした、というブツです(笑)。
 そんなことはどうでもよくて、HERRNSDORFELECTRO ARTISTと銘打たれたギターです。下のギターと比較するとお分かりのように、そのPURITYと全く同じギターですね。このギターを発見したことで、下のPURITYがHERRNSDORF製造のギターであることがハッキリしました。また、HERRNSDORFは後にMUSIMAに統合されたことからも判るように、下のPURITYも所謂個人ルシアーの1本ものではなくて、ハンドメイドではあるけどファクトリーメイドの商品であったことも判ります。

 さて、本題であるこの黒いアーチトップですが、ELECTRO〜という名前は実はHERRNSDORFのエレキ楽器全てに名付けられた名なので、厳密には商品名ではありません(例えばHERRNSDORFのラップスティールにまで、同じロゴが付いてます)。スペックの細かい詳細は、筆者が実際に所持している下のPURITYの項を参照していただきたいと思います。別ページのPERLGOLDのページでは、同じELECTRO〜の名が付いたエレクトリック・アップライト・ベースもあります。まあ、共産圏ですから、会社/ブランドという概念がどこまであったか微妙ですよね。他所でも書きましたが、基本的にこの時期(戦後)の東ドイツのギターは西の有名ギターのコピーに奔走していたわけですけど、殆ど国家ぐるみで(笑)そうしたコピーに執心したのか、と考えると、そこがまた切なくも憂いがある歴史の重みを感じちゃうワケですね(言い過ぎか?笑)。独自のスペックは、シークレット・ピックアップとヘタレこの上ないネックの接合方法ぐらいですねえ(笑)。




HERRNSDORF/PURITY - No Name (Red Sunburst)


 東ドイツ製のハンドクラフト・ギターです。ブランド名「PURITY」がヘッドにあるが、会社かどうか、定かでないのですが、とりあえずMUSIKKELELRのNORBERTから「PURITYっていう会社のギターだ」ということで 彼に売ってもらいました。今もって詳細や出自は不明なところが多々ありますが、とりあえず紹介させていただきます。 サイドはエセ・マルチバインディング仕様(笑)。これは単なる塗装の塗り分けではなくて、白い部分はプラスティックのバインディングが埋め込まれてあります。 更に白バインディングの両脇には細い黒バインディングもある。エッジのバインディングは7層。凝りまくってますねえ(笑)。

 ヘッドの形状、ホールの形状、マルチ・バインディング、ポジション・マーク等から、基本的にこのギターは一応LANGのモデルをコピーしたと推察されます。 が、ROGER的なジャーマン・カーブのトップとバックも持ち合わせたこのギターは、東ドイツ産「豪華モデル」の主張なんでしょうか? テイルピースはジャンゴ・モデルのアコギを彷佛とさせるが、薄っぺらで共振してしまいます。今ガムテ貼って、共振を止めてますが(笑)。 特筆すべきは「ピックアップ」でしょう。表から想像できないんですが、実はネックの指板の中に、マグネット・ピックアップが仕込んであります。 ターン数の少ないシングルコイルなんですが、ピックガードのポット(ヴォリューム)を経由して、回路はネックの裏(ボディとの接合部)に出ています。 またこのジャックが難関で(笑)、2股のバナナ・プラグのソケットなんです。入手時にNORBERTに専用ケーブルを作ってもらったんですが、実は東ドイツのフルアコには、このジャックの仕様のものを 時々見つけることがありまして、そのケーブルは重宝してます(笑)。PPUの出力は弱いが、明るく繊細な音を出してくれます。

 ボディは肩が狭く、クビレが大きく、ケツがでかい、というアンバランスでちょっと弾き辛いシェイプなんですけど、そのマヌケさと音の違和感がたまらなくキッチュ(笑)。 こういうゲテモノに、愛情を注がずにはいられない。さて、ストラップピンをどこに付けようかなあ…

 実は最近まで、このギターとHERRNSDORFの関連なんて考えても見なかったんですが、上記の黒いアーチトップを発見したことによって、 この楽器の出自(というか関連)も少し判別したように思います。今まではPURITY単独のページを作ってたんですが、そういうことでここのページと統合させました。



おまけ & 追記
■UNKNOWN (Herrnsdorf?) / DDR Archtop

from Norbert Schnepel Collection

 これは製造元不明のギターなのですが、あまりにも上のPURITYにクリソツなので、ここで紹介しようと思います。これは最近ドイツのMUSIKKELLERで売りに出て、 どなたかがお買いになったのですが、数カ月後eBayで(多分その方が)やっぱり売りに出した、というブツです。東ドイツの製造であることは間違い無く、 ハンドクラフトであることもわかっています。どこにもブランド名らしきものはないのですが、結構いい作りであることは筆者の推察&NORBERTの証言で判ります(笑)。

 ジャーマン・カーブやディバイデッド・サウンドホールなんかは上記PURITYとホントにソックリですね。更にネックエンドに仕込まれたシークレット(笑) ピックアップ(出力も、PURITY同様ヒール部分の2又バナナソケット)ってのも同じです。ただ、こちらにはサイドのマルチバインディングやVOL等のアセンブリーは存在せず、 またこのフィニッシュは最近塗り直されたものであることが分かっています(勿論、グローバーインペリアルのペグも後付けです)。テールピースは (別ページのPERLGOLDのカタログにも掲載されていましたが)東ドイツの凡庸パーツですね。なかなか面白いギターです。 恐らく上のPURITYよりは後の、60年代に入ってからの製造だと思われます。



HERRNSDORF Jazzgitarre - Brown Sunburst The Norbert Schnepel Collection


 こちらもNORBERT氏から送られてきた、PHOTOコレクションからの御紹介です。 HERRNSDORF(ヘルンスドルフ)というブランドネームがボディにプリントされてます。まあ、わかってたことはそのくらいなんですが。

 別項のMUSIMA、PURITYのギターなんかと同様、ネックジョイントが例のウザい(笑)東ドイツ特有の四角ロッドで、更にネック内部に仕組まれたピックアップ、そしてその電気系統のアウトプットジャックが、 ネックのヒール部分に2又のジャックでピョコンとお目見え。どれもこれも、東ドイツ特有の表情を備えています。みればわかるとお思いますが、このなんともヘタレなキャッツアイホールが哀愁を漂わせています。

 そういえば、話が脱線しますが、最近E-Bayで、「ネック仕込みPU」がバラバラになってしまった東ドイツ製JAZZGITARREがジャンクでオークション出品されてました。 別に欲しいとは思わなかったのですが、その内部構造がマジマジと見えており、感心させられました。ネックのPU部の裏は木工細工で蓋のようにパカッと開くようになってるんです。勿論接着はされてるんですが。 PUから短いシールドで直でヒール部に結線されてました。東ドイツ製アーチトップは、例のボルトでネック自体は接着されてないことが多いので、そういう構造がアリだったのかもしれません。
 



おまけ & 追記 1
■Herrnsdorf / secret pickup assenbly


 つーことで、写真を用意しました。これが、HERRNSDORFに限らず、東ドイツのアーチトップに数多見られる、シークレット・ピックアップです。 この写真はたまたまジャンクのアーチトップ(指板が割れてますね)があったので、表裏両方からそのお姿を拝見できるレアは画像です(笑)。 上の写真で、指板の下にのぞいてるのが、マグネットのピックアップ。その下の写真は裏からみたものです。ご覧のように配線は結構原始的。 僕のPURITYのようにピックガードにヴォリュームポットのあるものは、一度回り道してから、このメックのヒール部分に戻ってくるわけですね。

 このサイトの各所で見られる東ドイツ製のアーチトップの、ネックのハイポジ部分にフレットが打っていないのは、 こうしたエレキ化も考えられたための仕様だと思われます。シークレットPUにしたければそうできるし、外付けにしたければそれもできる、という訳ですね。 バナナ・プラグ自体は今も容易に入手できるんでいいんですけど、この位置のジャック、ってのは、正直演奏的には困りモンです(笑)。

 三番目の写真で判るとおもうんですが、このピックアップはRELLOGというブランドのもので、このメーカーは東ドイツのピクアップの殆どを賄っていた、 と思わしきブランドです。このシークレット型ピックアップの他に、ネックにフローティング・マウントするタイプのピックアップもあります。 また、MUSIMAなんかで採用されていた、SCHALLERタイプのメタル・ピックガード・ピックアップのコピー(笑。MUSIMAの頁のパーロイドのギター参照)なんかも、 このRELLOGが作ったという話です。

 一番下の写真はおまけで、上記のPU配線を施されたネックは、この写真のようにボルトオンでボディと接合されるわけですね。 接着はされてません。故に、経年変化に大変弱く、筆者も2本ほどリペアに出して接合をやりなおしました(接着させてしまいましたが)。  



おまけ & 追記 2
■Herrnsdorf / Electric Upright Bass

photo courtesy of Mikael Jansson

 一番上でチョロっと書きましたが、スウェーデンが誇るエレクトリック・アップライト研究家(?)のミカエルから貰った写真です。スゲエ。 HERRNSDORFのエレアプ三種! しかもこれ、金、銀、赤の三色全部パーロイド・ボディですね! ステキです。PERLGOLDの頁で紹介しているエレアプ(名前もELECTRO ARTISTだし、形も同じですね)も、多分HERRNSDORF製なのでしょう。東ドイツの楽器ブランドはそうしたM&A(笑)を繰り返すことで存続していったんでしょうか。
 ちなみに右のCDジャケは、ロシア出身のグループ、 ウラルスキー・オールスターズのCDのジャケで、右のベーシストがこのHERRNSDORFのエレアプを使ってるぜ、ということで紹介してます。




HERRNSDORF(?) - No Name archtop (Brown Sunburst)


 正直言ってしまえば、このギターの由緒やブランドを確証できる部分はどこにもないんですが(笑)、まず間違いなくヘルンスドルフ製なことはこのページを丹念に検証していただければ、 ボンヤリと見えてくるんじゃあないでしょうか。などと他人任せではWEB管理人失格ですね(笑)。筆者の推測を混ぜつつ、最近入手したこのギターを検証したいと思います。
 まず、上から3番目に載せた、「DDR ARCHTOP」と書いたNORBERTのギターと比較すると、ヘッド以外このギターと全く同じであることが判ります。 LANGコピーのデヴァイデッド・サウンドホール、三角のサムインレイ、5ピースネックと、ジャーマンカーブ気味のアーチのカービング。更に、可視か否かの違いはあれど、 双方ともにシークレット・ピックアップを載せたギターでもあります。まあ、そんな訳で、HERRNSDORF製でしょうねえ。東ドイツ製なのは400%間違いありません。

 でこのギター。まず写真でお判りかと思いますが、やたらに上質な木材を使用して制作されています。まあドイツは森の国、木材の国でもあるので、 当時はそんな面でもメリットの高い楽器製造王国なわけですが、なんせ、音が凄いんですこのギター。非常に軽量で、スプルースのトップもメイプルのサイド&バック(勿論総単板です)が カラカラに乾いていることを立証してますが、音も(スカスカでは決してなく、詰まった単板の音がします)カラーンコローンと鈴生り(ストラトのアレとは違いますよ)がします。 低音の響きはズーンとくるようなものではないのですが、アコギとしてこういうギターは大好きです。東ドイツのギターでここまで鳴るのは初めての経験です。

 ですが、実は下に載せたそのシークレット・ピックアップが、実はコイルが断線してやがります(笑)。 取り出してテスターあてがうまで判りませんでした。上にもチョロリと載せたのと同じ、 RELLOG製ですね。折角のギミックなのになあ。残念。そして更に輪をかけて残念なことに、このギター、フィニッシュはやたらキレイなんですが(推測ですが、 トップの赤落ちとバックの色を比較するに、このギターは長いこと展示されたままで、ロクに演奏されてないモノと思われます)、ネックが既に強烈に順反りしちゃってます。 ロッドもない時期のネックだし、ということで折角の生鳴りバツグンなギターなので、入院させることになりそうです。PUも生き返ってくれると嬉しいんですが、日本じゃあ無理でしょうねえ・・・



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